COLUMN
お知らせ
2018.07.17
少年事件
国選付添人とは?
少年事件においては,弁護士が「付添人」として,少年審判の手続きや処遇の決定が適正に行われるよう裁判所に協力することがありますが,この付添人についても,刑事事件における「弁護人」と同様に「国選」制度が存在します。
本日は,「国選付添人」について説明いたします。
1 少年事件の流れ
少年事件において,捜査機関が捜査を遂げた結果,少年が罪を犯したと判断した場合には,すべての事件が家庭裁判所に送致されることになります(少年事件の流れに関する詳細は,こちらをご覧ください)。
家庭裁判所に送致されると,被疑者段階(捜査段階)において少年の弁護人を務めていた弁護士は,付添人として活動することが期待されます。
ただし,20歳以上の成人による刑事事件の場合は,被疑者段階(捜査段階)の国選弁護人がそのまま被告人段階(裁判段階)の国選弁護人に移行するのに対して,少年事件の場合は,被疑者段階(捜査段階)の国選弁護人が付添人として活動するためには,改めて裁判所から国選付添人として選任されなければなりません。
2 国選付添人として選任されるためには
国選付添人には,①裁量的国選付添人と②必要的国選付添人に分けることができます。
⑴ 裁量的国選付添人とは
裁量的国選付添人とは,国選付添人として選任されるか否かが裁判所の裁量に委ねられている国選付添人のことをいいます。
裁量的国選付添人の対象となる事件は,
①犯罪少年又は触法少年のうち,
②死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪に該当する非行に及んだ者について,
③観護措置が取られており,
④弁護士の付添人がいない場合
とされています(少年法第22条の3第2項)。
裁判所は,上記対象事件であることを前提に,事案の内容,保護者の有無その他の事情を考慮し,審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは,弁護士である付添人を付することができます(少年法第22条の3第2項・第22条の2第1項)。
そこで,被疑者国選弁護人を務めていた弁護士が国選付添人として選任されるためには,事件が家庭裁判所に送致される前に,家庭裁判所に対して,「弁護士である付添人が関与する必要があ」り,自身を国選付添人として選任することを希望する旨の要望書を提出しておく必要があります。
⑵ 必要的国選付添人とは
必要的国選付添人とは,法律で定められた要件に該当する場合には,必ず国選付添人を選任しなければならないとされている国選付添人のことをいいます。
法律で定められた要件とは,
①検察官関与決定がなされた事件(少年法第22条の3第1項)
又は
②被害者等による少年審判の傍聴を許そうとする場合(少年法第22条の5第2項)
のいずれかとなります。
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葵綜合法律事務所は,岡山県岡山市に事務所を構える法律事務所であり,刑事事件・少年事件を重点的に取り扱う弁護士北村一が所属しています。
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