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2019.06.21

少年事件

少年審判における被害者関与制度(少年審判の傍聴)とは?

 

本日は,少年審判における被害者関与制度の一つである被害者等による少年審判の傍聴について説明いたします。

 

 

1 少年審判における被害者等関与制度創設の経緯

 

平成12年の少年法改正により,①被害者等による記録の閲覧・謄写(少年法第5条の2),②被害者等の申出による意見聴取(少年法第9条の2),③審判結果等の通知(少年法第31条の2)の各制度が新設されました。

 

その後,平成20年の少年法改正にとり,被害者等による記録の閲覧・謄写の範囲の拡大,被害者等の申出による意見聴取の対象者の拡大,④被害者等による少年審判の傍聴(少年法第22条の4及び5)及び⑤被害者等に対する審判状況の説明(少年法第22条の6)が新設されました。

 

 

2 被害者等による少年審判の傍聴

 

少年審判は,原則として非公開ですが(少年法第22条第2項),裁判所は,下記の要件を満たす一定の重大な事件については,審判の傍聴を許可することができます(少年法第22条の4第1項)。

 

①犯罪少年,12歳以上の触法少年にかかる事件であること

②被害者等からの申出があること

③以下に掲げる罪又は刑罰法令に触れるもの(被害者を傷害した罪にあっては,これにより生命に重大な危険を生じさせたときに限る)

ⅰ)故意の犯罪行為により被害者を死傷させた罪

ⅱ)刑法第211条(業務上過失致死傷等)の罪

ⅲ)自動車運転死傷行為処罰法第4条,第5条,第6条第3項・第4項の罪

④少年の年齢および心身の状態,事件の性質,審判の状況その他の事情を考慮して,少年の健全な育成を妨げるおそれがなく相当と認める場合であること

 

少年審判の傍聴の申出をなしうる「被害者等」とは,上記対象事件の被害者又はその法定代理人とされています。また,被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合については,被害者の配偶者,直系の親族又は兄弟姉妹も申出をすることができます(少年法第5条の2第1項)。

 

被害者等による審判の傍聴の申出が許可されると,被害者等は直接少年審判を傍聴することになりますが,裁判所は,傍聴者の年齢,心身の状態その他の事情を考慮し,その者が著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときには,「その不安又は緊張を緩和するのに適当であり,かつ,審判を妨げ,又はこれに不当な影響を与えるおそれがないと認める者」を傍聴に付き添わせることができます(少年法第22条の4第3項)。

 

なお,審判の傍聴をした被害者等は,正当な理由がないのに傍聴により知り得た少年の氏名その他少年の心情に関する事項を漏らしてはならず,かつ,傍聴により知り得た事項をみだりに用いて,少年の健全な育成を妨げ,関係者の名誉もしくは生活の平穏を害し,又は調査もしくは審判に支障が生じさせる行為をしてはならないとされています(少年法第22条の4第5項,第5条の2第3項)。

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