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2019.03.21
少年事件
少年審判における被害者関与制度(被害者等による記録の閲覧・謄写)とは?
本日は,少年審判における被害者関与制度の一つである被害者等による記録の閲覧・謄写について説明いたします。
1 少年審判における被害者等関与制度創設の経緯
平成12年の少年法改正により,①被害者等による記録の閲覧・謄写(少年法第5条の2),②被害者等の申出による意見聴取(少年法第9条の2),③審判結果等の通知(少年法第31条の2)の各制度が新設されました。
その後,平成20年の少年法改正により,被害者等による記録の閲覧・謄写の範囲の拡大,被害者等の申出による意見聴取の対象者の拡大,④被害者等による少年審判の傍聴(少年法第22条の4及び5)及び⑤被害者等に対する審判状況の説明(少年法第22条の6)が新設されました。
2 被害者等による記録の閲覧・謄写
一般的に少年事件の記録の閲覧・謄写をするためには,家庭裁判所の許可が必要とされています。
これに対し,被害者等による記録の閲覧・謄写は,原則認められ,例外的に閲覧・謄写を求める理由が正当でないと認める場合,又は少年の健全な育成に対する影響等を考慮して相当でないと認める場合に限り,閲覧・謄写を認めないこととなっています(少年法第5条の2)。
閲覧・謄写の申出をできる者は,犯罪少年又は触法少年にかかる事件の「被害者等」又は「被害者等」から委託を受けた弁護士とされています。「被害者等」とは,被害者又はその法定代理人若しくは被害者が死亡した場合もしくはその心身に重大な支障がある場合におけるその配偶者,直系の親族又は兄弟姉妹のことをいいます。
なお,記録の閲覧・謄写をした者は,正当な理由がないのに閲覧・謄写により知り得た少年の氏名その他少年の心情に関する事項を漏らしてはならず,かつ,閲覧・謄写により知り得た事項をみだりに用いて,少年の健全な育成を妨げ,関係者の名誉もしくは生活の平穏を害し,又は調査もしくは審判に支障が生じさせる行為をしてはならないとされています(少年法第5条の2第3項)。
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